バラナシの夜明け

 

朝3時すぎに目を覚ます。とてもよく寝た感じがする。

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インドに来て、子どもを含む物乞いの姿を見て、大きな大きな貧富の差、カースト、そんなものを目にして家に帰りたくなってしまった自分、、
もう特典旅行は取りやめにして、マイルを払い戻し、家族でどこか行った方がいいんじゃないんだろうか・・
そんなことを思って、旅行を取りやめにするかものすごく迷う。

家に帰りたい気持ちも大きいし、ヨーロッパにはそれほど興味がないのも実際のところ。
観光地を巡る旅はタージマハルでもうごちそうさま。

とりあえず、朝のガンジス河へ。

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日本語を話す物売りに声をかけられる。
彼の名前はなんだったかなあ・・
ずっと無視していたけれど、なんでやねん、とかおもしろいことを言うのでつい話を聞いてしまう。

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いやいや買わないよ・・とがんばるけど相手もなかなか負けていない。
セットで2000円と言っていたのがいろいろ組み合わせが変わり、結局300ルピーで3セット?購入することに。

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お金がないよ、といえば両替に応じるし、モーニング商売なんだから安いよ、とかいろいろ話てくる。

正直ひとりにしてほしいけど、数人にとりかまれてしまってちょっととほほ・・。

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とはいえ売人とのやりとりはけっこうおもしろくて、おっこれいいかも!でもやっぱりいーらないとからかってみたり、えーそうだなあ・・やっぱりどれもいらない、バーイ!とかやってみたり、エンターテイメントととしてはかなりのもの。

なんだかんだ30分くらいはやりとりしていたかも・・まあぼったくられてはいるんだろうけれど、でもこのやりとりの面白さが魅力。

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当初20枚絵葉書セットを2000円で販売していた彼は、最初は写真を撮ってくれた。
2000円?高すぎる、トゥーエクスペンシブ♪ばーい!といったら、あーっ!!とついてきて、あれやこれやと営業してくる。

300ルピーの壁というのがあるのか、なかなか300ルピー以下にはならないんだけど、ここはインドなんだしそんなの100円くらいのものじゃないの?
まあ100ルピーくらいなら買ってもいい気もするけど、それ以上は無理だね。

なんと話をしていたら、結局折れて100ルピー。
結局はぼられているのかもしれないけど、ずいぶんがんばったしいいか、という気持ち。だって楽しかったもん(笑)

ほかにもボート乗らないか、という営業を15秒おきにうける。
みんな仕事熱心だよなー。

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そんな彼らとサヨナラして沐浴を見る。
ちゃっと沐浴用の台があって、それぞれ着替えて水に入っていく。

真剣でもなく、遊びでもないらしいけど、でもそれでもじっと見ていると、人々の気持ちのようなものが伝わってくる。

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けっきょく共通するのは、人々の幸せを願う気持ち。
明日はきっといい日でありますように。

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そんな人々の希望が固まりになって、ガンジス河に溶けていく・・
死体もあるしうんこもいっぱい落ちいているけれど、物売りの声かけは激しいけど、でもここは居心地がいい・・。

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落ち着いて朝日をあびて、沐浴風景をみていたら、ここにきてよかったなあ・・そんな気持ちにやっとなれた。

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背の低いなんとかというシルク屋の人ともはなしをする。
要約すれば俺の店に来いということなんだけど、日本人がもっとバラナシに来たらいいなあ、とか長渕剛だかなんとかだかがバタフライする映画に兄弟がでたとかなんとか、どこかで聞いたような話をたくさんしてくれた。

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でも結局時間切れでお店には行けないんだ、ごめんね。といったら引き下がる。

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バラナシの商人たちはしつこくてうざくて面倒くさい相手なんだけど、でもときどき垣間見えるかわいさや、人間らしさがあってなんとなく憎めない。

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彼らを無視するのもいいけど、ちょっと話をするのも楽しい・・でも買い物はノーサンキュー、そのあたりのバランスが難しさであり、ここのおもしろさだなー。